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2018/02/15

ブーベ3Y/Bへの伝搬研究(最終編) およびプロジェクト成功の失敗学について

ぜんぜん前に進まない、きのどくなベタンソス号ですが、あともう少し!、地べたまであと2日の辛抱のころ、

KH1/KH7Z – Baker Island・・・DX World

太平洋方面で新たな紛争が勃発していました。

これはJAからはイージーだが、北極越えで難しいEUや、冬の南半球からの情け容赦ないブーイングが、、。

しかし陰湿な日本と違い、こうやってオープン大合戦やることは良いことですよ。桟敷席から見ているぶんにはおもろい。

そんな、誰もが忘れたフリ、無かったことにしている3Y0Zチームですが、帰還の途中も、腑に落ちない点が多々ある、ブーベへのパスを探索まくっていまして結論です。

まず、

(1)初歩の疑問として


3Y0Zプロジェクト公認、K6TUらによるVOACAPオンライン予測、JA~3Y0Z間の予測ですが、




左図、ショートパスの14メガ、12Z~14Zがオレンジなのが直観的におかしい。

なんとなれば、2月4日のその時間、




JAは夜でありブーベは真昼ですし。

これは、「ハイバンドは夜から昼には一歩も出られない」、の伝搬原則に反する。


(2)これを裏付けることとして

ブーベ島近くのドイツ南極基地、DP1POLの14メガの飛びを見ると、1月29日の15Z、





遠方はグレイラインが終点、夜側には飛んでない。

また、




JAに飛ばしてくるのはグレイライン沿いの23Z、こちらの朝であつた。

これを裏付けることとして、DP1POLのFT8生ログをPSKRから引いてSH5コンテストアナライザで解析してみると、14メガのJA





DP1POLはほぼ24時間営業であるにも関わらず、やはり12Zにパスは無く、23~00Zに濃く存在する、すなわち、いくら極バスであってもグレイラインの法則に則っている。


その傍証として

過去の3Y5Xや3Y0Cの交信記録をインターネットから拾ってみると、むろん西側崖下からの運用なのでロングパスが優位であるが、夕方06~07Zにチャンスがあったみたいだ。


そのときの大圏マップは、



23Zのこちら朝、双方がグレイラインに乗った瞬間

07Zは、


こちら夕方に双方がグレイラインに乗った瞬間である。


以上のことから

VOACAP(オンラインじゃないやつ)での検証

2月4日、SSN=0、パワー=100W アンテナは送受信とも無指向性ホイップ、ブーベ島~京都、14MHzの時間/電界強度チャート。

ショートパス




じつはピークは12Zではなく07Zなんですよ。このときの電界強度はマイナス16dBμ。


ではロングパスは、





電界強度はマイナス32dBμとかなり落ちますが、確かに07Zと21Z、グレイラインパスで赤パスがある。

これをMUF/電界強度・魚群探査三次元チャートで見てみると、ITURHFPropでの計算結果。


ショートパス



MUFの最大点は08Z近辺にあり、だが14メガに魚は居ない。12Zはさらに下がる。当たり前だ。

ロングパス



07ZのMUFは14.4メガだが、じつはこっちの方が色濃く蓋然性が高い。これは過去の証言とも一致します。

以上のことから

結論



わざわざ危険な崖の上にまで登る必要は無かった。

、、です。

おそらくK0IRは過去の経験から、




3Y0X、ピーター1世島のこんなよな、海際の穏やかな雪原を想像していたのではないか。だが実際に行ってみたら、




迫り来る恐ろしい崖っぷちで呆然。

表面がルーズかファームかソリッドかどうかすらも、「アンノウン」なのに、あんな巨大シャックを建てようとしてたのか。

このプロジェクトの失敗の本質は、ベタンソス号のエンジン故障でも悪天候でもありません。自らを省へり見ず、過去の成功体験の前例、栄光を引きずった、盛りすぎの無謀な計画にあります。


また失敗学のコア概念のひとつとして、再失敗予防のため、


知識配布 (KD: Knowledge Distribution)

という重要項目がありますが、これにも失敗しています。

3Y5Xや3Y0Cの過去ログを、サフィックスを伏せてオープンにし、解析、また過去QSOしたひとたちが知恵や経験を出し合い共有すれば、「JAはこの時間が良かった」など、皆でいくらでも議論ができたはずです。

それを秘密主義で、なし崩しにしてしまった。多発する企業の不祥事といっしょ。


今後に向けて

考察と結果は以上ですが、飛騨の山奥からからは一歩も出たことの無いド田舎もんだが、この2週間、VOACAPでは世界何十ヶ国も旅して検証しまくったわたくしからひと言述べますと、

再掲




2月初旬であれば、14メガは07Z、おそらくビームは120~150度の南鳥島から~ZL~南極越えのSkewed Pathがいちばん有力だろう、すなわちサイトの場所は安全な崖下の海岸で良い。

7メガについては、むろんショートパスのほうが良いですが、

再掲





こっちの夜明けとブーベの夜明けの、ふたコブ駱駝。17Zと21Zにチャンスがあるだらう。


・・・この3Y0Z失敗騒ぎは、DXCCにはなんら関係のないわたくしにとっても、生きて行く上での、非常にためになる失敗モデルケースでした。

以上の能書きは、「他人の」、誰をも説得、説き伏せ、もしくは同意させようとするつもりはまったくありません。「わたし自身だけ」が納得し、得心がいけばそれで良いだけのことですので。

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